ステレオ写真のマウント方法
マウントの方法
リアリストサイズ・ヒートシー
ルマウントの利用方法
RBTステレオマウント
の利用方法
ステレオ撮影されたフィルムを、ステレオビューアやプロジェクタで鑑賞するには、ステレオマウント(もしくは35mm用マウント2枚)に、正しくマウントする必要があります。 図.1はステレオマウントの例で、左から順に「紙製リアリストサイズマウント」、「紙製ヨーロピアンサイズマウント」、「プラスチック製ヨーロピアンサイズマウント」にマウントされたステレオ写真です。
リアリストサイズのマウントとは、「ステレオリアリストカメラ」などの、5パーフォレーション仕様のステレオカメラで撮影したフィルム(23mm×24mmサイズ)をマウントするのに最適な大きさの窓となっています。
ヨーロピアンサイズのマウントとは、「フェドボーイ」に代表される7パーフォレーション仕様のステレオカメラで撮影されたフィルム(30mm×24mmサイズ)をマウントするのに最適な大きさの窓となっています。 また、35mm一眼レフ2台により撮影されたフィルムも、ヨーロピアンサイズのマウントにマウントすると、35mmフルサイズのワイド感が損なわれずに良い結果が得られるでしょう。
図.1 ステレオマウントの例
下記に述べる「アライメント調整」により、適切にマウントされたステレオ写真は、目への負担が少ないだけでなく、作者の意図した立体空間を演出することが出来ます。 逆にマウントが不適切なステレオ写真は、立体感に矛盾が生じたり、目が非常に疲れたりします。 正しいマウント方法を覚えることは、ステレオ写真の理解を深め、よりよい作品を制作することにもつながります。
アライメントの調整
左右フィルムの上下のずれ、左右のずれ、回転角のずれを修正することをアライメント調整といいます。 専用のステレオカメラで撮影した場合には、上下のずれ、回転角のずれはほとんど無く、左右のずれだけを調整することになります。
2台のカメラで撮影した場合には、上下のずれ、回転角のずれが多少生じると思います。上下のずれ、回転角のずれが大きいと、ステレオ写真として鑑賞した時に、非常に見ずらいものとなりますので、出来る限りマウント時に、フィルムの配置で修正する必要があります。(図.2,3,4参照 平行法で見て下さい)
図.2 適切にマウントされている例
図.3 よくないマウント例 (上下方向にズレがあります)
図.4 よくないマウント例 (回転方向にズレがあります)
次にマウントで重要な点は、左右の配置位置です。左右のずれは、ステレオ写真の奥行きと深く関係があります。マウントの上で片側のフィルムを固定して、もう一方のフィルムを左右に動かすと、立体像が手前に来たり、奥に行ったりすることが解ると思います。見やすい立体像を作るには、マウントの枠をはみ出して手前に画像が来ない様に左右の位置を調整するといいでしょう。(図.5,6,7参照 平行法で見て下さい)
図.5 適切にマウントされている例
図.6 花が奥まってしまった例
図.7 ステレオウィンドウが壊れている例
図.5が適正マウントです。 図.6では、左右のフィルムが両側に離れすぎていて、花の立体像は、かなり奥まってしまいました。表現手法として立体像を奥に位置させたい場合には、図.6のようなマウントも悪くはありません。
あまり良くないのは図.7のマウント例です。花の立体像全体がマウント枠より手前に来てしまっています。花の茎に注目してください。茎はマウント枠より後ろにないと、立体像とマウントの枠という現実の壁に、矛盾が生じてしまいます。こういう状態を、ステレオウィンドウが壊れていると表現し、よくないマウントの例となっています。鑑賞していて目が疲れたり、画像の端がちらつく原因になります。
ただし、表現の手法として、マウントの枠内で浮かんでいるような画像は、故意にマウント枠より手前に持ってくることで、飛び出す立体写真として作品を作ることができます。このあたりは、撮影時にも考慮しておくと、面白い立体写真が撮影できるコツだと思います。
下記には、代表的なステレオマウントの利用方法を記述しておきますので、参考にして下さい。
リアリストサイズ・紙製ヒートシールマウントの利用方法